[Wintermute]全体として、伝統的金融(TradFi)機関はOTC取引量において最も急成長を遂げたグループであり、前年比32%増となった。この成長は、米国のGENIUS(Guiding and Establishing National Innovation for U.S. Stablecoins:米国におけるステーブルコインのための国家イノベーションの指針および確立)法や欧州連合(EU)でのMiCA(暗号資産市場規則)導入といった規制の進展によって促進されており、大手企業の参入意欲が高まっていると報告書は述べた。
暗号資産市場が二極化──機関投資家はBTCとETHに注力、個人投資家はアルトコインを追う | CoinDesk JAPAN(コインデスク・ジャパン)
暗号資産(仮想通貨)市場は二極化している。
暗号資産トレーディング会社のウィンターミュート(Wintermute)の中期報告書によると、機関投資家と個人投資家は異なる道を歩む傾向が強くなっており、機関投資家はビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)に固執する一方で、個人投資家はアルトコインやミームコインに資金を投入している。
店頭取引(OTC)のスポット取引量を分析したところ、機関投資家による2大トークンの取引量は57%で横ばいだった。これは、ETF(上場投資信託)への資金流入や構造化された蓄積手段によるものと考えられる。一方、個人投資家はビットコインとイーサリアムへのエクスポージャーを46%から37%に減らし、より新しく、より投機的なトークンへと資金をシフトさせている。
「この乖離は一時的なものではない。より成熟し、洗練され、専門家された暗号資産市場を我々が経験しつつあることの兆候だ」とウィンターミュートのCEO兼創設者、エブゲニー・ゲボイ(Evgeny Gaevoy)氏は述べた。
「投資家はもはや同じトレンドを追いかけていない」と同氏は付け加えた。「機関投資家は暗号資産をマクロ資産として扱っている一方で、個人投資家は引き続きイノベーションに惹かれている」
リテールブローカーも活発な動きを見せ、2025年上半期の取引量は前年同期比で21%増加。一方、暗号資産ネイティブ企業は取引量を縮小し、5%減少した。
ウィンターミュートは、自社のOTCデスクにおけるスポット取引量が中央集権型取引所の2倍を超えるペースで増加し、これは伝統的金融機関が好む、より慎重かつ大規模な取引への移行を示唆していると述べた。
ミームコイン取引の分散化
同社は、ミームコインの取引活動がより分散化していると指摘。ミームコインの個人投資家による取引量は減少したものの、個人ユーザーが取引するトークンの数は倍増し、市場のロングテールにおけるマイクロキャップ資産への需要の高まりを示している。
それに伴い、ドージコイン(DOGE)や柴犬コイン(SHIB)のなどの伝統的な銘柄は、ボンク(BONK)、ドッグウィフハット(WIF)、ポップキャット(POPCAT)などのニッチなトークンの増加に押されて衰え始めたと報告書は指摘した。
2025年後半を見据え、ウィンターミュートのアナリストたちは、規制当局の最終的な決定が10月までに下されることが見込まれる、ドージコイン現物ETFの申請状況に注目するよう呼びかけた。
「この結果は、個人投資家市場に大きな影響を与え、他のオルタナティブ資産の先例となる可能性がある」と報告書は述べている。
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