カレンダースプレッド戦略
カレンダースプレッドは、満期日が異なるオプションを利用した戦略で、タイムスプレッドまたはホリゾンタルスプレッドとも呼ばれます。
基本構造:同じ権利行使価格で、
カレンダースプレッド戦略は、コールオプション・プットオプションのどちらでも構築可能です。
例:
BTCの現在価格が$100,000と仮定します。今後数週間は大きな値動きがないと予想していますが、その後大きなボラティリティが発生すると考えています。
この場合、BTCの権利行使価格$100,000でカレンダースプレッド戦略を組むことができます:

- 総コスト = $1,000 - $500 = 純支出$500(最大損失)
- 満期時にBTCが$100,000に近い場合、短期オプションは満期消滅し、長期オプションは時間的価値を維持するため、戦略として利益が生まれる場合があります。


損益ロジック:
- 最大利益:短期オプション満期時に原資産価格が権利行使価格(ATM)付近で推移する場合。
- 最大損失:原資産価格が権利行使価格から大きく乖離(Deep ITMまたはOTM)し、長期オプションが価値を失い、短期オプションが無価値となる場合。
- 方向性:この戦略は中立~ボラティリティ上昇狙いで、今後のボラティリティ拡大と短期の値動き限定に着目します。
- セータ:短期オプション売却→正のセータ、長期オプション購入→負のセータ。序盤はセータがプラス、後半でマイナスとなります。
戦略まとめ:

活用タイミング
- 市場が現在低ボラティリティであるが、近々急なボラティリティ上昇が予想される場合(例:主要経済指標発表前)
- 短期では値動きが限定的と予測しつつ、中期以降で大きなブレイクアウトを期待する場合
- 非方向性戦略として活用できます
まとめ:
カレンダースプレッド戦略は、同一権利行使価格の長期オプション買い・短期オプション売りを組み合わせ、短期の値動き抑制と長期のボラティリティ拡大の期待に基づく、クラシックなボラティリティトレード手法です。
ダイアゴナルスプレッド戦略
ダイアゴナルスプレッドは、異なる権利行使価格と満期日のオプションを合わせる戦略で、ダイアゴナル(斜め)型の構造からこの名が付けられています。
基本構造:
- 長期オプションを購入(高価格・長期間)
- 短期オプションを売却(低価格・早期満期)
- 権利行使価格は異なるものを使用
コールオプションでもプットオプションでも組成できます。
例(コール・ダイアゴナルスプレッド):
現在のBTC価格が$100,000
BTCが来週に$105,000付近まで緩やかに上昇し、大きな変動は起こらないと予想される場合には、次の戦略が考えられます。

損益ロジック:
- 利益ゾーン:短期オプション満期時にBTCが$105,000付近の場合、短期オプションの時間的価値が減少し、長期オプションの価値が残る
- 最大損失:BTCが長期オプションの権利行使価格を大きく超えて上昇した場合(例:$115,000超)、長期ポジションでデルタによる損失をカバーできない
- 方向性・タイミング:緩やかな上昇局面に適し、急騰には対応しづらい(売りポジションが行使されやすい)

戦略まとめ:

ダイアゴナル vs 他戦略:

適用シナリオ:
- やや強気または弱気だが過度なリスクは避けたい場合
- 短期の時間的価値減少から利益を得つつ、長期保有でボラティリティの恩恵も狙いたい場合
- インプライドボラティリティの上昇を見込むケース(ベガがプラス)
まとめ:
ダイアゴナルスプレッド戦略は、異なる権利行使価格・満期日のオプションを組み合わせ、方向性・ボラティリティ・時間価値減少など多様なエクスポージャーを柔軟に調整できます。中立からやや方向性を持つ短期~中期のボラティリティ見通しに適合する戦略です。
免責事項
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